「浩暉って、結局なにがしたいんだろう?」
第5話を見終えて、そう思った方は多いのではないでしょうか。
浩暉の言動には一貫性がないようでいて、どこか深い闇が透けて見えます。背景には自身の不在性――「この世に存在しない者」としての孤独と、強烈な承認欲求が潜んでいるように感じられます。
今回は浩暉という人物の描写を丁寧に拾いながら、彼の欲望の正体と、第5話に潜む伏線や演出の意味を読み解いていこうと思います。
よろしければ最後までご覧ください。
【前話】第4話:浩暉は双子説or二重人格説を検証
【次話】第6話:犯人が予想外の行動に出た理由
【恋は闇】第5話あらすじ
【ホルスの目殺人事件】の新たな犯行が予測された5月5日、犯人らしき人物に襲われた万琴(岸井ゆきの)は九死に一生を得るが、その目と鼻の先のマンションで40代女性の遺体が発見された。現場の様子や犯行の手口から、警察は【ホルスの目殺人事件】の5人目の被害者と断定。さらに、万琴の傷口から検出された別の女性のDNAと、5人目の被害者のDNAが一致。万琴を襲った人物が【ホルスの目殺人事件】の犯人であると確定する――。
犯人の唯一の目撃者となった万琴のスクープ映像は世間の注目を集め、総合演出の野田(田中哲司)は「うちの独占スクープだ!」と意気揚々。警察は犯人の凶器と手袋を特定するが、週刊新流に『「ホルスの目」新展開!凶器、手袋、スニーカーを特定!』の見出しが躍り、捜査本部は騒然…!またしても浩暉(志尊淳)が情報をすっぱ抜いたのだ。なぜ警察発表前の情報が分かるのか…記事を読んだ正聖(白洲迅)は、浩暉への疑念をますます強める。
現場近くの防犯カメラ映像や目撃情報から、警察は浩暉の父・設楽貫路(萩原聖人)の犯行で間違いないとみて、その行方を捜索。そんな中、司法解剖により、5人目の被害者の腕から注射痕が見つかった。さらに、過去4件の被害者の腕にも注射痕を隠すような傷があったことが判明し、鑑識の松岡(浜野謙太)は、ある可能性を指摘。徐々に犯人像が浮かび上がる中、万琴の元に浩暉がホルスの真犯人ではないかという情報が次々と舞い込む。明らかになる浩暉の“異様な素顔”…。浩暉を信じたい万琴は、その疑念を払拭しようと浩暉の部屋へ向かうが―――!?
引用元;恋は闇公式サイト
【恋は闇】浩暉の血への執着と謎の女の正体をつなぐ伏線とは?

浩暉の経歴は【警備員→ホスト→ライター】
向葵の職場の先輩である新田透子(小林涼子)に会って付き合っていたときの話を聞く万琴。話の中で浩暉の経歴が【病院の警備員のバイト→歌舞伎町の売れっ子ホスト→週刊新流のライター】だと明らかになります。
第4話で透子が言った『私史上一番ヤバい元カレ』の内容は、透子の新人時代に採血の練習に付き合ってもらったら「自分にも教えてほしい」と浩暉に言われ練習台にされまくったというもの。
採血の練習をするために、病院でバイトし看護師と付き合う。これがすべて浩暉の計算だった可能性が出てきましたね。

ということは、ホルスの目事件の犯人が浩暉かどうかは置いといて、遺体から血液を抜いているのはほぼ浩暉で確定でしょう。注射器を注文していましたし。
歌舞伎町のホストとして働いていた浩暉は、当時の客にも「血ちょうだい」と言って怖がられていました。
浩暉が血液に執着する理由:他者との繋がり?


浩暉はどうして”血”に執着しているんだろう?
血液は体内を流れ、普通は外に出ることはありません。「血液=その人自身・他者との繋がり・支配欲」と捉えると、血液を欲しがる浩暉は強い繋がりが欲しかったとも考えられます。
万琴の家でナポリタンを作っていたときに母親のことを愛おしそうに話す姿が印象的でした。(浩暉にしては珍しいですよね!)母親を事件で亡くして以来、頼れる人が周りにいなくなってしまった浩暉は、無意識のうちに人との繋がりを求めて血液に執着するようになったのではないでしょうか。
浩暉は血液が欲しかった。血液を手に入れるために看護師と付き合って採血をマスターし、お金を得るためにホストとして働いていた、と考えられますね。

浩暉がずっと闇の中を生きている感じが見えますよね。それと同時に浩暉の頭の良さというか賢さもうかがえます。
浩暉は第5話で職業を転々としていることもわかりました。語りの部分で「自分を偽って生きてきた」「人は誰しもうそをつく」など何者にもなれない自分を描いているのだと思います。
浩暉の自宅を物色する万琴

謎の女はだれ?
第5話終盤では浩暉に疑いを持った万琴が、黙って浩暉の自宅を訪れます。冷蔵庫を開けると赤っぽいものが入っている真空パックを見つけます。直後、謎の女(齋藤飛鳥)が登場。
「何してるんですか、私たちの部屋で」というセリフから浩暉と謎の女は一緒に住んでいることがわかります。
公式サイトによると謎の女は第1話にも登場しているというので確かめたところ、第1話冒頭で浩暉に注射をされているのが謎の女ということがわかりました。注射をする際に浩暉は「ごめんね」と言います。謎の女にはあざっぽいものも見られました。
謎の女の正体は
- 妹?→浩暉にきょうだいがいる情報はなし
- DVを受けていた謎の女を浩暉がかくまっている可能性→あざがあったため
- 謎の女は無戸籍で浩暉が養っている?→第5話中盤で”戸籍住民課”を訪れる浩暉の姿があった
第6話以降で明らかになるでしょう。謎の女のために浩暉は血液を手に入れている可能性が高いです。

謎の女はどうして血液が必要なんだろう?特殊な血液の持ち主とか。無戸籍だから病院にかかれないとか。注目すべき点ですね!
もし謎の女が無戸籍だとしたら『恋は闇』では現代社会における”闇”を提示しているともいえます。「社会的に認知されていない女性」「国や社会、家族に取り込まれない人間はどう生きるか」を視聴者に見せることで、現代人の他人への無関心さ、真実はどこにあるのかということを提言しているのではないでしょうか。
浩暉の自宅に犯人の物証はなかった
第5話冒頭でコインロッカーから回収したレインコートと黒い手袋が浩暉の部屋にあるような描写がありました。でも万琴が訪れたときはそんなものがあった痕跡はありません。冒頭は浩暉の自宅だと思わせるミスリードなのかも。
冷蔵庫にある真空パックの中身は?
浩暉の自宅の冷蔵庫にあった赤っぽいものが入っている真空パックの中身は血液なのでしょうか。

それっぽく見えるけど、実はただのパスタソースだった!というオチな気がします。
仮にホルスの目事件の遺体から血液を抜いているのが浩暉だったとして、注射器のサイズから冷蔵庫内にある量の血液を採取するのは無理じゃないでしょうか。浩暉は頭がキレるので保存するにしてももう少し考えそうだなと思います。
浩暉がお金を稼ぐのは謎の女のため?

ホストをしてお金を稼ぎ、現在はフリーライターとして1000万以上稼いでいるかもしれない浩暉。(第1話できのぴーが言ってました)
週刊新流の編集長からもらったロレックスを売ったと告白していました。そして浩暉の自宅は見るからに家賃が低そうなところです。
稼いだお金をすべて謎の女のために使っていると考えられます。使っているというより使う予定なのかも。謎の女が何かの病気で海外で手術を受けさせようとしているとか。現段階で謎の女に大金が必要そうな理由が見当たりません。
浩暉が万琴に言ってない話4選
第5話で明らかになった万琴が知らなかった話をまとめると
- 浩暉の自宅の場所
- 警察で事情聴取されていたこと(第2話)
- 4件目の被害者・花邑さんに手紙を送り続けていたこと
- コーヒー屋さんの防犯カメラの映像を最初に見つけていたこと(店員に口止め料を払っていた)
以上4点です。
自宅の場所を知らせなかったのは謎の女と住んでいたからですね。「片付いてないから、来月ね」と言っていましたが、来月には謎の女がいなくなるのか。それとも来月には別れるということなのか。作品の中の時空は5月なので来月は6月。ちょうどドラマの最終話と重なるタイミングです。
病院にいた浩暉はハッキングしている?

浩暉が変装していた理由は監視?ハッキング?
向葵の勤める病院で向葵と会う浩暉ですが、珍しく帽子にメガネをして変装をしていました。”取材”だと言っていましたが、変装しているということは病院内に監視している人物がいるのか。それとも病院をハッキングしてデータを盗んでいるのか。

私は病院のハッキングをしている線が濃厚だと思います。浩暉は優秀なハッカーだった!とか。警察の情報解禁より前に記事をあげられるのもハッキングの成果かも?
謎の女は血液が必要なようですし、定期的に病院に出入りしていると思ってよさそうです。
向葵との会話で見えた浩暉の影
向葵と話すシーンで浩暉は「万琴にはふさわしくない。けど守るって決めた」と言います。ふさわしくないとはどういう意味なのか。
”万琴はよどまない”と向葵が表現。よどむというのは滞って動かないこと。つまりよどまない=常に動いているということ。向葵は被害にあっても前に進み続ける万琴をそう表現したと思います。
一方でよどむにはどんより濁るという意味もあります。つまりよどまない=濁っていないということ。浩暉は万琴を濁っていないという意味にとらえたと思います。
濁っていない万琴に対して、濁っている自分。だから「ふさわしくない」と言ったのではないかと思いました。
今後のキーパーソン?【松岡・夏八木】

変人の鑑識・松岡
第5話冒頭で、浩暉を怪しいと思っている松岡(浜野謙太)は浩暉の匂いを嗅ぎます。血の匂いがするかどうか確認したのでしょうか。
結局石鹸のいい匂いがしたというオチで終わるわけですが、感じたことをメモする姿も。
警察署内では誰かと会っており、「またお願いします」と言われていました。捜査情報を外部に渡しているわけではないと思いますが、怪しい動きであることは間違いないと思います。
同僚からは「松岡さんは”特権階級”だからね」と言われています。
警察内の特権階級ということは、ただの鑑識員ではなく警察上層部に親族がいるということですかね。少し変わっているところも大目に見られているということでしょう。第6話以降に立ち位置が明らかになりそうな感じがします。
やはり怪しい配達員・夏八木
浩暉と万琴が見つけた防犯カメラ映像から5/5に映っていたのは夏八木だと判明。事情聴取を受けます。
ここで夏八木は左利きだということ、履いている靴は犯人の靴とは違うということがわかりました。

その帰りに警察署内で制服姿の警察官と話し込む夏八木ですが、なんか違和感があるんですよね。警察の人間ってただの配達員とそんなに仲良くなるのかなと。
階段から転げ落ちそうになった大和田刑事を助ける場面もありましたが、夏八木と大和田刑事はなんとなく顔が似ています。これは以前否定した親子説がやっぱりあるのかもしれない…!
大和田刑事と夏八木は親子か!?という記事(該当箇所に飛びます)はこちらから↓

親子ではないにしても、息子の友達とか、甥っ子とかなら可能性はあるかも!
その他気になること2選

父・貫路が防カメに映ったのはわざと?
捜査会議中での防犯カメラの映像で、設楽貫路が映っているのが確認されていました。

フードをかぶっていたのに、わざわざ顔が見えるようにしていたのでわざと映った可能性が高いと思います。
わざと防犯カメラに映った理由を考えると、警察に犯人は自分だとマークさせるため?警察の目を自分に向けているのではないかと思います。
防犯カメラといえば、浩暉は防犯カメラの位置を的確に把握していました。浩暉と父・貫路は今も繋がっていて、何かしらの協力関係にあるのではないでしょうか。浩暉の母親の事件の真犯人が実は別にいて、2人で協力して真犯人を探しているとか。

浩暉が犯人に対して強い怒りを持っていることも説明がつきます。仮に浩暉が病院内でハッキングをしていたとしたら、防犯カメラの映像もハッキングできそうですよね。
万琴に捜査情報を送ったのは野田?
第5話で万琴の元に送られてきた浩暉の母親の事件に関する捜査情報ですが、送り主は正聖ではなさそうでした。私は総合演出の野田(田中哲司)ではないかと思います。
- 警察の人間は(多分)捜査情報をコピーして送らない
- 野田は大和田刑事と接点があるので、捜査情報を教えてもらえる
- 野田なら、資料が送られてきた万琴の行動を監視できる
資料を持って会社を出ようとした万琴を見ている野田の描写もありました。野田は万琴が浩暉と付き合っていると聞いて、心配しているように思えます。野田と貫路も繋がっていますし、別れさせようとでもしているのかなと思います。
まとめ:新たな考察動画も公開
【恋は闇】第5話を明らかになった情報をもとに考えてみました。公式サイトには”考察好きの皆様へ”と新しい動画も公開されています。
次回までに目を凝らして見ておこうと思います。
手前味噌ですが、私の考察は結構目の付け所がいいんじゃないかと思っています。よろしければほかの記事もご覧ください。
『恋は闇』全話まとめはこちら↓
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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